
これまで、キャンプ場恒例のきのこ狩りイベントが雨に見舞われるようなことは無かった。本来の体育の日である10月10日は、晴天の確率が最も高い特異日ということで選ばれたくらいだから、ということもある。
しかし、今年は3連休の真ん中の日曜日、受付開始時間の9時半になっても前夜からの雨がやまず、山の斜面は滑りやすいので、子供も参加するイベントとしては開催が危ぶまれる状況となった。
とはいえ、きのこ狩りを楽しみに来ている家族も多いので、まずは僕がキャンプ場内に生えているキノコのミニ・ガイドツアーをやってから、林道と尾根周辺に限定して実施することにした。
キャンプ場内では、ヌメリスギタケモドキ、ツチスギタケ、ハタケシメジ、ナラタケ、キクラゲなどが見つかり、参加者の意気が上がったところで安全面での注意事項や、入ってもよい場所の範囲を伝えて山に送り出した。
前日の下見では、クロカワは相当採れたものの、コウタケは既に朽ちかけているようなものばかり、ホンシメジはまだほんの幼菌、クリタケ少々と、もう終わりがけのような状態であった。そんな中で目立っていたのは、写真のマツタケモドキ。
マツタケそっくりの風貌なので、マツタケでないことが分かった時のガッカリ感からか、目立つところに出ている割に取り残されているのは、そういう気分を反映してのことであろう。
しかし、今回改めて味わってみると、やや乾燥していたこともあって、きのこらしい温和でしっかりとした香りと旨味があり、非常に美味しくいただけた。本当は、残念なきのこではないのだ。
きのこ狩りイベントのほうは、やはり山の状況を反映して、参加者が持ち帰ってくるきのこはいつもより少なかった。そんな中でも、大きく傘が開いた巨大なマツタケをゲットしたお子さんもいて、誇らしげな様子が微笑ましかった。
このところ、きのこの発生ピークが以前より10日は前に来てしまっていることが気がかりではあるが、楽しみにしてくれている人がいるかぎりは、何とかこの役目をお引き受けしようと思う。
